VOICE




彼女は声を出すのを嫌がる。地声が低いから聞かせたくないって可愛いこと言ってた気もする。俺としては それはまぁ聞きたいわけで。この前無理に口元を抑える腕をあげさしたらほんまに怒って家出して 音信不通にまでなったし それ以降はやってへんけど。
「あかんの」と聞くと大きく頷く。ついに枕までも味方につけたし声を聞くのは一生無理なんちゃうかな。でもやっぱり、あんなんされてもどうにかして聞きたいもんやん。負けじと二の腕から肘にかけてのラインを唇でなぞっていくとよじれる身体。彼女の腰が動き続けてるのを知らんふりして鎖骨、肩、手のひらにキスを落とし上半身だけ構ってやる。「動かへんよ」と言ったらようやく見せた潤んだ瞳はこちらを睨んでて。「どうしてほしいって言わな わからへん」だいぶ攻めてみたけど、モゴモゴと枕の下から聞こえたのは「ならいい」という妥協の言葉。あっそう。「、じゃあ今日はおしまいやな」とモノを抜くと予想してなかったのか寂しそうにだんだんと枕を握りしめてた手が、緩む。それを待ってたんや、こっちは
「はい、没収」すぐさま枕を放り投げ、ついでに周りにあった毛布やらなんやら覆えそうなもん全部ベッドの下に投げてやった。え、え、と焦る彼女の腕を上へやり、また挿入すると広がるあたたかさ。「…っ」お、あともうひと押しか。思っきり噤んでる唇に自分のを押し付ける。おまえ肺活量無いから すぐギブやろどうせ。「…ん……んぅっ!!」下からも突いたったら案外すぐに開かれたそこに舌を無理やりねじ込ませる。観念したのか枷が外れ途端に声を出し始める「あっ…んぅ、」「あれ、え?」「なっに…きかな、いで」あかん。想像以上に腰にくる。地声が低いと言った彼女の鳴き声はハスキーで決して女の子らしいわけではなかったけど、それでもそれが俺ん中にストンと収まったからやっぱ本能やな、なんて。
「やばい、お前んこと好きすぎてどないしよ」「、あっそ」
とそっぽを向いた彼女の顔は長い髪で隠れたけど真っ赤な耳だけがこちらに向いていた、午前1:23。





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